介護業界で19年間働いてきた私がお教えする良い介護施設・悪い介護施設の見分け方

高齢者の看護・介護

皆さん、風邪などひいておられないでしょうか? 介護業界で19年間働いているジグ・ザガーです。

今日は、高齢になった御両親の介護などで施設の利用を考えておられる方に向けて、良い介護施設と悪い介護施設の見分け方について書きました。

介護の事など何も分からない方が、ほんの数分、見学に行っただけで、どの介護施設を選んだらよいかを見極めるのは非常に難しいと思います。

私は、介護の現場で看護師として長年働いて来ました。また、現在は訪問看護師として、いくつかの介護施設にも仕事で訪れています。

その私が、介護施設を見極める際のポイントについて、経験に基づいて記しました。

介護施設を選ぶ際の参考にしていただけたら幸いです。

介護施設の種類

介護施設と一口に言っても、その種類には様々なものがあります。

主な介護施設には、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、有料老人ホーム、介護サービス付の高齢者専用賃貸住宅、通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、グループホーム、訪問介護、訪問看護などがあります。

どの施設・サービスを利用できるかは、介護度やどんな介護が必要なのか、介護に関わる家族の負担や料金、自宅からの距離などによって変わります。

介護を受ける方や、ご家族にとって最適な介護サービス・介護施設をケアマネージャーとも相談して検討してください。

介護施設を見極めるポイントはたった一つ

介護施設を見学に行った際に、注目して欲しいポイントはたった一つです。

施設の壁に掲げられている理念の内容や、掃除が行き届いているかどうか、介護技術の優劣などを観察しても、質が高くて安心な介護が受けられるかどうかの判断は出来ません。

では、どこに注目すれば良いのでしょうか?

そのポイントは次の一点に尽きます。

介護をしている人の笑顔が優しくて感じが良いかどうか

介護の質を決めるのは、何と言ってもその施設で働いている看護職員、介護職員たちの人柄にかかっています。

介護施設を運営している会社の理念がどれだけ立派な言葉で掲げられていても、介護施設の建物が新しくて清潔であっても、そこで提供される介護の質には何の関係もありません。介護の質・介護を受けた時の満足度は、その介護施設で介護を行っている人たちの人柄・優しさによって決まります。

介護業界で19年間働いてきた私は、自信を持ってこれを断言します。

優しい介護者の介護を受けられれば安楽。

優しくない介護者の介護を受けるのは苦痛。

介護をしている人たちの人柄を見極めるポイントは、感じの良い笑顔があるかどうかです。

介護という仕事を選んだ人たちの中に、残念ながら優しさをまるで持ち合わせてないような人が紛れています。いや紛れているどころか、私の実感として結構多いです。優しさのない人の提供する介護を受けることは、介護を受ける方にとっても、そのご家族にとっても非常に寂しくて腹立たしいことです。

施設を見学に行き、その施設の職員の笑顔を観察してください。

その笑顔と挨拶が感じよくて、優しさがにじみ出ていたとしたら、その施設で提供される介護こそが本物の介護です。

仕事に追われて表情が強張っていて不愛想な職員の多い介護施設は、避けた方が賢明です。

看護技術や介護技術は教えることが出来たとしても、優しくない人に優しさを教えることは出来ないのです。

認知症の方の介護の実際

ここで一つ、私が遭遇した介護の実際の場面を紹介します。

Oさんは認知症を患った女性で、デイサービスを利用されていました。アルツハイマー型認知症の診断を受けたOさんは、ご家族に支えられながら在宅生活を続けておられました。

Oさんには、何度も何度も、同じ質問を繰り返し続けるという症状がありました。

「ここはどこですか?」

「何時に帰るんですか?」

「すいません、ここはどこですか?」

「今日は何時に帰るんですか?」

「ここはどこですか?」

この質問を一日中、食事をしている時と眠っている時以外は間断なく繰り返し続けてしまうのです。

質問に対して職員が誠実に返答をしなければ苛立ち、Oさんの声のボリュームはどんどん大きくなっていきます。Oさんの苛立ちは、周囲の他の介護を受けている高齢者の方々にも伝染してしまいます。

Oさん:「ここはどこですか?」

私:「ここは〇〇市ですよ」

Oさん:「何時に帰るんですか?」

私:「Oさんは、今日は四時半に帰ります」

Oさん:「ここはどこですか?」

私:「ここは〇〇市ですよ」

Oさん:「何時に帰るんですか?」

私:「四時半になったら帰るので、大丈夫ですよ」

このやり取りを根気強く、何時間でも続けなければなりませんでした。Oさんが施設を利用する日は、毎日このやり取りを、業務に支障のない範囲で何度でも続けました。

ある日、私はOさんに質問してみました。

「Oさん、Oさんはどうして同じことばかり聞くんですか?」

するとOさんが答えてくれました。

「私だって疲れるけど、止められない…」

私の質問に答えながら、Oさんは涙を流しました。

重度の認知症であるOさんが質問に答えてくれた事にも驚きましたが、Oさんの涙にも私は大きな驚きを感じました。

『そうだったんだ…。Oさんも辛かったんだ…。その辛さに思いを馳せてあげられなくてごめんね…。これからは、もっと真心を込めてOさんの質問に答えるようにするからね…』

私はこの出来事を、一緒に働いていた同僚たちに伝えました。

話しを聞いた同僚たちの数人は、私と同じように、業務を行いながらOさんの質問に可能な限り優しく返答をするように心がけてくれました。

が、Oさんの際限なく繰り返す質問にまったく取り合わず、とにかく業務を最優先させる職員も少なからずいたことも事実です。

介護を受けるOさんの様子は、質問に対して時間を割いて穏やかに対応する職員のいる日と、そうでない日とでは明らかに違いました。優しい態度でOさんの質問に対応する介護と、まるで質問を無視するような対応をする介護とでは、その質は天と地ほど差があります。

この時に心ある対応をした職員は、普段から笑顔が優しくて感じが良い人たちでした。

私は将来自分が介護を受けるようになった時、絶対に優しい人たちに介護をされたいと痛切に思います。

まとめ

施設の建物が新しい、掃除が出来ていて清潔、立派な理念が壁に掲げられている、などは、看護・介護の質には何の関係もありません。

見学に行った介護施設が、良い介護施設か、悪い介護施設かを見極めるには、その施設で働いている職員の全体を見渡して、挨拶と笑顔の感じが良くて、優しさがにじみ出ている職員の割合が多いかどうかを観察してください。

挨拶と笑顔の感じが良くて、優しさがにじみ出ている職員の割合が多い施設が、良い介護を提供できる介護施設です。

 

以上、介護業界で19年間働いている私が思う、良い介護施設の見極め方でした。

介護施設を選ぶ際の参考になれたとしたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

前に進む。たとえジグザグであろうとも。

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